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「NextSociety Forum」設立の背景
世界に蔓延するデフレ、金融の機能不全、企業業績の悪化、倒産の増加、失業率の悪化などの趨勢を分析しますと、従来の拡大成長路線、グローバリズムが限界点に到達し、反転して収縮に向かっていると判断せざるを得ません。単純な景気循環トレンドとは全く異なる、歴史的なパラダイムシフトが起こりつつある過程であることは確かでしょう。
しかし、皆様の多くが中心的な情報源として利用している新聞・雑誌・TVなどのマスメディアは、国家財政の実態や従来の資本主義が制度疲労の臨界点を迎えようとしている現実を伝えようとはしていません。一種の報道管制が敷かれている状況にあります。したがって、現実の現象面において平常時には考えられないことが連日起こっていても、一般大衆は感覚が麻痺していて、世の中にはあきらめにも似た無力感が漂っています。
政治、経済、社会の流れを捉えられなかったことによる悲劇や挫折、天国から地獄へといった人生ドラマは歴史上何度も繰り返されてきたことであり、歴史の教訓に学ぶことは、資本主義の転換期を迎えている現在において特に重大な意味を持ちます。
殊に日本において最も象徴的な教訓をもたらしてくれた出来事は、1980年代終わりから90年代にかけて起こった、不動産、株式市場のバブル崩壊であったと思われます。これによって、行き過ぎた経済事象はいつかは崩れ落ちてしまうものだということを、私たちは身をもって学びました。土地神話の崩壊です。
当時、不動産、株式市場に参戦していた渦中の人々のほとんどは、まだまだ価格の上昇が継続するものと確信していました。それは一面、マスメディアが発信する横並びの情報にマインドコントロールされていた、といってもいいほど間違った情報に扇動されていた状況でした。右肩上がりの相場が続く限り、不動産は担保として絶大なる信頼があったため、借金で購入した不動産を担保にさらなる借金で不動産を購入するという負債拡大を伴う危険な市場への参戦が横行しました。全体に強気が支配すればするほど、逆の目が出たときのプレーヤーの悲劇は深刻なものとなっていったわけです。振り返ってみますと冷静に判断できるものですが、日本人にとって土地価格が下落するという現象は、戦後、初めての体験でしたので正確な予測が難しかったことは否めません。
但し、幸いなことに当時の日本における不動産、株式市場のメインプレーヤーは、実業よりも財テクに走った法人および一部の富裕層を中心としたものでしたので、一般の多くの人々にとっては景気が悪くなったという印象だけで、直接的な影響は少なかったのです。
昨今の社会環境の激変に関しても、真剣に自分の置かれた立場の変化を予測、分析する方は少数派なのではないでしょうか。多くの方は具体的な対策を立てたり、行動を起こすということはなく、「なるようにしかならない」といった心境であると思います。また、対策をたてているという人でも、それが必ずしも正しい方向に向かっているものでないことも多いのです。
1980年代終わりから90年代のバブル崩壊は日本の国内問題だったわけですが、今後の経済トレンドはデリバティブ等の金融派生商品、米国株式・土地市場、米国債、日本国債を中心とした世界規模の連鎖バブル崩壊になります。それは資本主義史上最大のバブル崩壊といっていいものなのです。
米国の株式市場は、1990年から1999年まで実に10年近い長期に渡って上昇相場を演じてきました。世界からの資金流入、年金の株式市場での運用(401K)を中心とした株式本位制とでも言える好況経済が続いたわけです。古今東西、あらゆる相場で過熱したマーケットが崩壊しなかった事例は歴史上存在しません。現在の米国株式市場は本格的な崩壊に向かう踊り場局面にある状態です。
長期不況から脱出できない日本経済にもバブルは存在します。国債バブルです。金融機関を中心として過度に国債が買われています。長期金利は世界史上、稀にみる低金利を記録した後、反転傾向を示しています。国債バブルの崩壊もまた時間の問題です。国債の市場規模および性質は株式市場よりも裾野が広いため、暴落ということになればその影響は株式市場のバブル崩壊の比ではありません。個人的に国債を持っていなくてもほとんどの人は金融機関に預金があり、その金融機関が国債を購入しているということは間接的に個人が国債を購入していることと同じことになるのです。
株式、債券、為替、デリバティブ(金融派生商品)に代表される世界のマネー経済は実体経済の何十倍もの規模に膨張しています。物のやり取りがなんら存在しなくても、金融工学の発達によってお金がお金を生む異常なカジノ経済が市場を支配しています。まさに、金(ゴールド)などの実質的な価値の裏づけを伴わないペーパーマネーが猛威をふるっているのが現代経済の特徴であり、実体経済の何十倍にも膨らんだ風船(マネー経済)は近い将来、破裂するのは必至です。そして、その影響は人類が歴史上ほとんど経験したことのない衝撃的なものになることは間違いありません。
つまり、正確な情報分析に基づき今後の社会情勢を予測し、有効な対策を事前に立てようとしない方はこれから迫り来る世界的な大不況の荒波を乗り切ることができません。最終局面は、正確な情報のない人にとっては瞬時に襲ってきたように感じるものなので、気がついたときには既に対策を打てる猶予はなくなっているのです。パニック状態の中で大多数の方が「なすすべなし」という最悪の状況に追い込まれていくことになります。
個人は会社も国家も頼りにできない嵐の大海に浮かぶ小舟のような存在になりつつあります。
しかし、悪い面ばかりではありません。転換期の社会においては、今までの国家運営の方法や企業経営のあり方を新しい社会に適応できるようにドラスチックに変えていく必要があります。求められる人材像もまた変わっていくのです。これまで本来の能力を十分発揮できなかった人が、21世紀においては輝く人材になりうる可能性が高いのです。
これからの時代は、個人が持っている創造性、企画力、知恵、知識、人脈ネットワークの活用によってエキサイティングな成功がもたらされるようになるのです。埋もれていた人材が台頭してくる活気ある時代が訪れるでしょう。
自己への投資を惜しまず、価値ある情報の有益性を理解し、それをビジネス、生活に活かそうとする人にとってはむしろ自由で面白い世の中になると言えるのではないでしょうか。
通信環境に目を向けますと電話、FAX,インターネットなどのネットワークインフラの充実により、革新的かつ効率的なビジネス手法が生み出されつつあります。小資本、少人数(あるいは一人)であっても、提携やアウトソーシングにより大組織にひけをとらないダイナミックな事業展開が可能な環境が整いつつあります。
また、既存企業におきましても、今までの成功体験をかなぐり捨てて、変化を厭わない体質を持っているならば、業界の勢力地図を塗り替えてしまうようなインパクトを市場に与えることも可能です。マスコミの発信する表面的な不況という言葉に惑わされてはいけません。社会の転換期には自ら変わることが勝利者となる要件になるのです。
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