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 メールマガジン 【第32号】 

「プロスポーツに見る強い組織作りとは(2)」

2006/09/27 

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                                         2006/09/27 第32号
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◆◇      <プロスポーツに見る強い組織作りとは(2)>
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皆様、こんにちは。

サッカー日本代表の監督がジーコからオシムに変わり、その対照的なリーダーシップぶりに、考えさせられる点が多々あるなと感じています。

ジーコの監督時代、メディア報道では「自由」という文字が目につきました。

戦術に捉われず、選手自身が自由に柔軟に考えてプレーをすることを尊重する方針だということです。

このことは、ジーコの前任のトルシエが、戦術で選手の動きを厳しく制約したことに対する批判を交えながら、あたかもジーコのほうが監督としてレベルが高いような解説がなされていました。

何か、この「自由」というキーワードの裏側に、ジーコなりの深い戦略が隠されているように示唆されていました。

ドイツW杯アジア予選では、日本代表にとって勝って当たり前、ある程度の点差で勝たなければならないような格下の相手に対しても苦戦続きで、すっきりしない試合ばかりでした。

にもかかわらず、試合終了間際に点を入れて辛勝した試合や、PK戦までもつれ込み、ゴールキーパーの神がかり的なセーブで勝ったのを評し、「奇跡が起こった」と絶賛報道ばかりが目につきました。

苦戦したことの原因分析や、ジーコ采配の問題点に関する報道は、マスメディアに限っていえば、ほとんどありませんでした。

日本代表はドイツW杯出場を決めたものの、予選の試合内容を冷静に分析すれば、W杯本戦において監督がジーコでは予選突破は難しいことは明らかでした。

W杯本戦でのジーコの采配ぶりを見てもわかる通り、「自由」という言葉の裏側には特に深い戦略があったわけではなく、策がないことの裏返しに過ぎませんでした。

プロのチームスポーツの場合、レベルが高くなればなるほど高度な戦略、戦術が要求され、選手が「自由」にやっても勝てるケースとしては、よほど対戦相手の力量が劣る場合に限られます。

つまり、日本代表は個々の選手のフィジカル、技術面では、欧州、南米の列強国に比して劣っているわけですから、戦術、連携を強化してチーム力で勝つ以外に道はないのです。

サッカーの場合、一番目立つ選手は得点を挙げた選手です。その次がゴールをアシストした選手やキラーパスを放った選手でしょうか。

ディフェンダーやキーパーが目立つケースとしては、どちらかというと苦戦した側のチームではないでしょうか。

どうしても得点をあげた選手ばかりがクローズアップされがちですが、近代サッカーでは、類稀な才能の持ち主であっても個人技で得点するシーンは、かなり減っていると思われます。

それは、相手の攻撃陣にスペースを与えない守備戦術が高度に構築されてきたからです。

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●エースフォワードが得点しやすいミッドフィルダーからのパス供給。

●もう一人のフォワードの撹乱動作や相手守備陣へのプレッシング。

●攻撃的ミッドフィルダーがいいパスを出すための環境づくり、すなわち守備的ミッドフィルダーによる相手のパスカットからの攻撃への起点づくり、相手へのプレッシング。

●ディフェンダーによる、相手陣に近い位置でのボールの奪取。
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このような組織プレーが流れるように連携できたときに得点の生まれる確率が高くなります。決して、一人のフォワードの力だけで得点を挙げているわけではない。

これは、2002年日韓W杯において、フランスがティエリ・アンリ、ダビド・トレゼゲ、ジブリル・シセと世界のサッカーをリードする3ヶ国(イギリス-プレミアリーグ、イタリア-セリエA、フランス-リーグ・アン)の得点王を擁しながらグループリーグで1得点もあげられずに敗退した事実が証明しています。

選手に何の制約もない「自由」を与えた場合、そのプレーが必ずしもチームにとってベストなものになるとはいえません。

選手個々には、自分がやりたいプレースタイルがあります。攻撃的な選手ばかり集めた場合、守備が手薄になりチームのバランスは崩れてしまいます。

チームスポーツには、オシム監督が「水を運ぶ人」と表現したように華やかなプレーとは異なるけれども、自己を犠牲にした献身的なプレーをする選手が必要です。

それでこそ、ストライカーが点を取るという輝きを放てるわけです。

選手個々には、それぞれの特性にしたがった自分自身の役割というものを認識させ、実戦で徹底させることが大事になってきます。

そのようにして、チームとして最大限の力を発揮できるように集団をまとめあげていくことが監督としての大きな役割になります。

プロのチームスポーツは決して「自由」という言葉で片付けられるほど、甘美なものでも、薄っぺらなものでもありません。


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